農民美術
 

「子守」尾澤千春氏作品
「子守」
尾澤千春氏作品
 “農民美術”は、版画家であり洋画家だった山本鼎氏の提唱により大正八年に長野県小県郡神川村(現長野県上田市)で始まりました。

 山本鼎氏はフランスに留学したあと北欧諸国、ロシアなどの民芸品に心を打たれ、帰国後は両親が住む神川村大屋に帰省したあと、当時の不況打開や、農家が多いこの地域で農作業がなくなる冬の時期に、趣味と実益を兼ねた副業として農民美術の建業を説きました。

 当初、参加人数は少なかったものの神川小学校の一室で開講された教室で制作された作品は好評を博し、その後、大正8年に神川村大屋に創設された「日本農民美術研究所」が中心となって全国に広められました。 PHOTO
当時の作品
(尾澤木彫美術館蔵)

 現在では、「美的価値を忘れず、素朴、堅牢で安価に求められるもの」と言う山本鼎氏の理念を受け継いで制作されていますが、作者のほとんどが専業となり、信州の郷土色豊かな土産品などが制作されています。
尾澤千春氏作品
〆かずら紋書箱
尾澤千春氏の作品
尾澤敏春氏作品
木工パネル(群鶏)
尾澤敏春氏の作品
 
 作品には「欅」「栓」「桂」「朴」「胡桃」「白樺」などを主な材料とし、上田獅子や美しい自然を表現したものをモチーフに、壁面装飾品、マガジンラック、ティッシュボックス、文房具類、装身具類など多岐にわたっています。

 「尾澤木彫美術館」に隣接した「木彫館」は、日本農民美術研究所を再現したもので1976(昭和51)年に建設されました。展示内容は、北欧やスウェーデンなどの美術作品や尾澤敏春氏の作品など、約800点余りが納められています。

 
 
資料提供長野県上田市黒坪 尾澤木彫美術館  電話:0268−22−4337