◆野沢菜のルーツは天王寺蕪(かぶ)
京都や大阪は、昔から日本文化の中心とされてきましたが、野菜もその例にもれず、いくつもの優良品種があります。
例えば、京菜・千匡(みぶ)菜・すぐき菜・聖護院大根・九条ねぎそして天王寺蕪
野沢菜はこの「天王寺蕪」がルーツといわれています。
◆種子を持ち帰ったお坊さん
宝暦6年(1756)、野沢の名刹健命寺の第8代目の住職晃天瑞大和尚は京都に遊学しておりました。
そこで手に入れたのが天王寺蕪の種子。さっそく持ち帰って植えたところ、葉柄、茎丈の大きい不思議な「蕪菜」に成長しました。
野沢温泉は標高600m、1月の平均気温が零下6度という高冷地です。温暖な西国育ちの天王寺蕪は、野沢温泉の気候や風土により、特産「野沢菜」に生まれ変わってしまったのです。
地元野沢温泉では昔から野沢菜漬けのことを、葉柄が大きいことから「おはづけ」と呼んでいます。

十分に育った野沢菜は、11月初旬以降に収穫します。蕪を切り落とし、良く水洗いをしたらすぐに漬けこみます。(蕪は甘味があって美味しいので、別に漬物にしたり、煮物にもできます)
@まずきれいに洗った桶(木桶の場合は、漬物が終わった後すぐ水を入れて洗っておく必要がある。洗わない桶に漬けると桶の臭いが漬物についてしまうから要注意)の底に軽く水を張り、そこへ菜を並べ、塩をふりかけ、また並べる・・・という手順を繰り返す。
A塩の量は、お菜10キロに対して300グラムが基準。(昔の“三束一升”は塩が強すぎる)
B味付けは、塩と唐辛子が一般的ですが、好みによって、ニンニク・昆布・煮干し・味噌などを入れても良い。
C漬け込み作業が終わったら重石を強めにのせます。一晩のうちに菜がかくれるほどまで水をあげる(桶の底から水が上がってきていっぱいになること)ようにするのがコツ。水があがったら重石を軽くします。

“お葉漬”が食べられるのは、漬けてから1ケ月頃のスキーシーズンの始まる12月中旬頃から。1月頃には全体が「べっこう色」に変わり一段と美味しくなります。ただし、野沢菜漬けは漬け物桶から出して30分以内に食べることをおすすめします。空気に触れると酸化が始まり、表面が乾いてしまいます。(桶から出したものを召し上がって頂くのが最高です)
野沢菜漬けは温度にとても敏感で、野沢では家の中で一番温度の低い安定した場所に漬物を保存します。ですから、都市部では暖房の効いた屋内での保存は要注意です。
暖かなところでは酸味が出てしまいますが、これをまた美味しく食べる方法もあります。
まず、漬物をこまかくきざんで水にひたして塩出しします。
@油で炒める。調味料は、カツオブシと醤油。古くからある珍味です。
A大根の葉や山菜、油揚げ、さつま揚げ、コンニャクなどを煮干し味で炒める。(煮物にしても良いが、野沢菜漬けは油で炒めるのが一般的)。この他、
B酒粕汁の実に入れるなどの野沢菜汁も美味です。

資料提供:野沢温泉村役場


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